シーツの海にだらんと投げ出された肢体。

幾度と無く求められ、受け入れた躰は痛いぐらいに快楽に溺れた後だ。

白いルルーシュの肌には薄紅色の刻印が、まるで月夜に照らされてはらはらと舞う桜の花びらの様に浮かぶ。

「んぁっ…」

立て続けに何回も行為を行い、一時休戦とも言うように全裸で丸まっていたルルーシュの首筋に、突然キスが落とされた。

吸血鬼が血を飲むが如く、甘噛みされ、強く吸われ、愛しむように舐められ…

確実にルルーシュを陥落させるように動く舌は抵抗という言葉を封じてしまう。

「スザクぅ…」

ルルーシュは覆い被さり首筋を攻める恋人を横目で睨もうとするが、熱に溶けた瞳では全く効力を持っていなかった。

「好きでしょ、セックス。誘って来たのはそっちなんだから相手してくれるよね?」

確かに誘ったのはルルーシュだった。

スザクの誕生日を当日に妹から聞き、慌ててプレゼントの準備をしたものの、時間が無くて夕飯に招くぐらいしか出来なかった。

そして、忘れて居たことがスザクにバレ、躰を求められた。

否、これぐらいしか出来ないからとルルーシュが躰を差し出した。

プライドの高いルルーシュが自分から躰を差し出すなんて事は、屈辱的以外何者でも無かったが。

「耳も弱いの?ほら、びくついてないで。今晩のルルーシュは俺へのプレゼントなんでしょ?」

躰をよじり、仰向けになれば目の前にスザクの顔。

ルルーシュは蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった。

ルルーシュが体勢を変えた事でスザクの口がルルーシュの躰から離れる。

離れた事で喘えがされるのも一時中止して貰えると思ったルルーシュは自分の甘さを知った。

「んっ…!」

しっかりとルルーシュの脚を左右に開き、スザクが今まで指や舌、またはスザクのモノで散々掻き混ぜた部位に指を押し込んだのだ。

「さっき中で出した俺のがルルーシュの中から溢れてる。卑隈だね」

くちゅくちゅとスザクの指が動く度に響く水音は、ルルーシュに対して指で犯されている感覚を強く印象付ける。

「あっ…あぁ……っ」

スザクの指がルルーシュの中で動く度に中からスザクの体液が流れ出て、ルルーシュの肢体を震わせる。

「指だけでイっちゃいそう?駄目だよ、君は俺のでイかないとね」

スザクの低音の囁きがルルーシュの耳に当たり、それさえもルルーシュにとっては快感になってしまいそうだった。

「イきたい…イかせろ…」

涙目になりながらそう命令しつつ、解放されたいあまりルルーシュは自ら腰を振っていた。

「プレゼントのくせに命令するの?そんなに中に欲しい?欲しかったら何ておねだりするんだったかな?」

自然と腰を振るルルーシュをはしたないとさげずんだ目でスザクは見る。

まるで汚いものでも見るような目で。

「そんなに淫乱じゃあパートナーのなり手が無いね。一生俺ので居なよ」

ルルーシュは珠のようにしっとりと馴染む肌をスザクに撫でられ、気持ち良ささえ感じてしまう。

スザクは目と言葉とは裏腹に、手はとても優しくルルーシュを撫でた。

「君は一生、俺の物だよ、ルルーシュ…」

不敵に笑うその顔は、決して『穏和』と言ったものでは無くて、むしろ狂気じみている。

ルルーシュは囚われた蝶の様にスザクに縫い留められ、奈落に堕ちるのを虚ろう意識の中で感じるのだった…

=終=


**あとがき**
一回もイッてない裏なんて初めて書いた気がします・
俺スザク目指してみましたが如何だったでしょうか?
07.07.29